読書感想文

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呉智英『読書家の新技術』

資本主義の会社に勤めている人。何の恥ずかしいことがあろうか。がっちり儲けて、そして読書をしてほしい。マルクスの著作を読んで資本主義の矛盾を知り、現状変革への情熱を燃やしてほしい、搾取の現場にいながら。機動隊に就職した人も、あまりいいことではないが人民を弾圧しつつ、読書に時間を割いてほしい、本当の知的な武装とは何かを考えつつ。こういったことがなされないかぎり、読書は永久に青年の読書に終わり、理想は青年の理想に終わるのである。

すでに、脆弱で子供っぽい正義が読書や理想を支配する時代は終わったのである。

転換期の現代を、読書によって武装した知のゲリラ戦士として、果敢に生きぬいていこうではないか。私からのメッセージである。

こないだ、古代ギリシア哲学の研究者がリベラルアーツや真理を求める生活の意義について350ページかけて書いてる本を読んだのだけど、この一文で十分に足りる内容だと思った。