読書感想文

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伊藤昌哉『自民党戦国史』

政治の土俵でジジイが寝技をかけあってばかりというのは困ったことではあるけど、健全さの表れでもあると思う。つまり「他人が何を考えているかなんて、わからない」という前提に立っているということなわけで。そりゃあ、神頼みにも行きたくなる。

松屋が無料味噌汁をやめるか否かを投票で決めるとか言い出したら、みんな無料継続派だろうとは思うけど、やはり一抹の不安はよぎる。人間は異質なものにとらわれる。無料味噌汁反対派という異物を見つけたら、松屋店員の待遇向上を願う無私の人物であっても、苦々しく見えてしまう。投票は人間集団を分断する。ここに「政治技術」を成立させる、空隙が生まれる。