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ヴィトルト・リプチンスキ/春日井晶子『ねじとねじ回し この千年で最高の発明をめぐる物語』

紳士にとって旋盤を回すことは、婦人にとっての刺繍のようなもので、一八世紀の終わりまで趣味として人気を保っていた。一七〇一年に出版された旋盤について の最初の技術、『旋盤の技法』の著者シャルル・プリュミエ神父は次のように述べている。「この技術は、今日のヨーロッパで知的な人々が熱心に行なう趣味として確立されている。純然たる気晴らしと知的娯楽のあいだに位置するものとして、 時間をもてあますことで生じる不都合を避けるための最高の暇つぶしと考え、真剣に取り組む人々もいる」趣味人たちは木だけでなく、角、銅、銀、金といったさまざまな材料を旋盤に載せて回した。そうした作業の産物はといえば、 装飾的な意味合いしかもたないものだったが、彼らは機械を真剣に扱った。

いつの時代にもインターネット的な役割を負っていた何かがある。