釈尊の物語風な伝記が、 中央アジアのマニ教徒によって古ペルシャ語に訳され、六世紀頃に中世ペルシャ語に改められた。「ポーディサットヴァ(菩薩)」という言葉の語形はブーダーサフと表記され、仏教という点がぼかされて、ある苦行者の話とされた。そのアラビア語版は、一〇世紀にはパクダードの本の目録に載るほどイスラム世界に広まった。
この物語がキリスト教徒のグルジア(ジョージア)人によってシリア語に訳された際、名がイオダサフと誤記され、インドの王の息子がキリスト教を信仰し、キリスト教を広めて父王を改宗さ せた話に変わった。それが東方教会の神父によってギリシャ語に訳され、さらにヨサファット(ジョザファット)と表記したラテン語訳も出された。
そういや、大陸ってつながってましたね。